太陽電池用Si原料から製造したセルの試作品
太陽電池用Si原料から製造したセルの試作品
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 独Q-Cells AGは,ノルウェーElkem Solar社と共同で,太陽電池用Si原料であるソーラー・グレードSiから製造したセルの開発状況を発表した(2BO.3.2:First Result on Industriallization of Elkem Solar Silicon at Q-Cells AG)。

 Elkem Solarが冶金法で製造した太陽電池用Si原料を,通常のSi原料に混ぜてインゴットを製造し,それをQ-Cellsがセルにした。太陽電池用Si原料の製造にはパイロット・プラントを用いが,それ以外のインゴットやセルの製造は既存の製造ラインを使っている。

 Q-Cellsらは,太陽電池用Si材料を0%,33%,50%,100%の割合で既存のSi原料に混ぜて製造したセルの変換効率などを示した。0~50%の割合で混ぜたセルの変換効率は,いずれも15.5%程度で,大きな差はなかった。これに対して太陽電池用Si原料100%のセルの変換効率は15.4%前後にとどまった。太陽電池用Si原料を60~90%の割合で混ぜた実験はしていないという。

Elkem Solarは,今回用いたパイロット・ラインに続いて,工業化プラントを立ち上げ中であり,間もなく稼動できるとした。