図1 新製品に囲まれるシャープ 代表取締役社長の片山幹雄氏
図1 新製品に囲まれるシャープ 代表取締役社長の片山幹雄氏
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 「2012年度には,健康・環境事業の売上高を1兆円に乗せる――」

 シャープ 代表取締役社長の片山幹雄氏は,新製品発表会の壇上で高らかに宣言した。シャープの創業100周年に当たる2012年に,同事業の売上高を,2007年度実績の約4倍に当たる1兆円に増やす計画という。

 健康・環境事業とは,2008年8月に新設したLED事業のほか,空気清浄機,冷蔵庫,洗濯乾燥機,オーブン・レンジといった白物家電の事業を指す。「これらの事業に太陽電池セルの事業を合わせ,シャープの売上高の50%を占める事業に育てるのが目標だ」(片山氏)。

 シャープは,同事業の基幹技術として,除菌効果をうたう白物家電向けの「プラズマクラスター技術」,人気オーブン・レンジ「ヘルシオ」に搭載した「ウォーターヒート技術」,そして省エネ効果を持つLED照明を挙げた。「プラズマクラスターやLEDは,いずれも半導体に由来する技術。日本が誇る半導体の技術力が生かせる」(片山氏)。

法人営業部を新設

 シャープが1兆円達成の切り札と見込むのが,海外展開と法人営業である。

 同社は2008年9月1日付けで,法人営業部門「特機営業本部」を新設した。本部長には執行役員の庵和孝氏が就く。

 これまでシャープの法人向け事業は複写機やデバイスなどに限られていた。今後はLED照明や空気清浄機を中核に,国内外で法人営業を強化する(Tech-On!関連記事)。片山氏は法人事業について「健康・環境事業の売り上げのうち,3~4割を占めるくらいに成長させたい」と期待を示した。

 消費者向け事業では,2009年までにヘルシオの海外販売を始める。「マーケティング調査の結果,海外でも健康調理器具のニーズがあることが分かった。2009年までには販売を実現したい。まず米国,次いで中国で売り出す」(庵氏)。

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