米Google傘下の動画投稿サイト「YouTube」では,違法コンテンツを見つけた著作権者は,削除するよりも広告収入を得ることを選択しているという。YouTube製品マネージャのDavid King氏が米国時間2008年8月27日に同社公式ブログに投稿した記事によると,検出された無許可コンテンツのうち90%は,著作権者がライセンス料を徴収することを選んだという。

 YouTubeでは自動コンテンツ識別技術「Video Identification(Video ID)」を2007年10月から提供している。Video IDでは投稿されたビデオのさまざまな要素と,著作権者から提供された情報を照合してコンテンツを特定する。コンテンツの著作権者は,このVideo IDを使うことで,YouTube上に投稿された自身のコンテンツを見つけ,コンテンツの使用を管理できるようになる。著作権者が違法コンテンツを検出した場合,ビデオをオンラインから削除するほか,公開を認めてプロモーションしたり,契約を結んでライセンス料を徴収する,という措置がとれる。

 この中で「ライセンス料を徴収する」という選択ををする著作権者が多いのは,1万ビューを獲得できるようなコンテンツならば,YouTubeに投稿された同じコンテンツを削除しないことで,さらにその後も1万ビューを得られることを認識しつつあるといことだとKing氏は指摘する。その一方でYouTubeとしても,それらのコンテンツに対して広告掲載を展開できるという。

 現在Video IDを導入しているパートナは300を超える。King氏は,「Video IDが,著作権者に,彼らの熱狂的なファンの創造性を認可する枠組みを提供していることは明らかだ」とコメントしている。

[King氏の公式ブログへの投稿記事]