土砂降りの雨の中を走る太陽誘電ソーラーカー苦楽部のソーラーカー「Aten-1」。
土砂降りの雨の中を走る太陽誘電ソーラーカー苦楽部のソーラーカー「Aten-1」。
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レース終了後,「技術賞」を受賞した,太陽誘電の伏木怜氏。
レース終了後,「技術賞」を受賞した,太陽誘電の伏木怜氏。
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 秋田県大潟村で開催されたソーラー・カー・レース「ワールド・ソーラーカー・ラリー/全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ(WSR/JISFC)」は最終日の2008年7月28日,本選の3日目の競争が行われた(2日目までの記事)。

 最終日は早朝から分厚い雲が立ち込め,時折土砂降りの雨が降る不安定な天気。レース開始時間の朝8時になっても周囲は薄暗いままと,ソーラーカーには全く向かない空模様だったが,予定通りにレースが始まった。

 前日まで最速75km/hで走り,断突でトップだった芦屋大学のソーラーカーもこの日は,コース1周(25km)の平均走行速度が1/2以下の36.6km/hまで落ち込んだ。一方,太陽誘電のクラブ・チームの色素増感型太陽電池を用いたソーラーカーは,同11.5km/h。前日の同12.5km/h前後とほとんど差がなかった。曇天に強いとされる色素増感型太陽電池の特徴を示した格好である。

 レースは,結局あまりの大雨のために,当初の予定だった8時間のレース時間が3時間に短縮されて終了した。色素増感型太陽電池は激しい雨の中でも最後まで動作し,走行途中で止まってしまう事態は起こらなかった。太陽誘電 開発研究所 技術企画統括部で,今回のチーム・リーダーを務めた伏木怜氏は「ちょっと不完全燃焼。あと少し走りたかった」とコメントした。

 太陽誘電のチームは今回,色素増感型太陽電池という新しい技術で参加したことで「技術賞」を受賞した。 

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