コマツは2008年7月29日,2008年度(2008年4月~2009年3月)第1四半期の連結決算を発表した。売上高は,前年同期比12.2%増の6068億円。これは新規に連結対象になった日平トヤマの売上高241億円や米国会計基準適用による増加分98億円を含んでいる。営業利益は同4.5%増の832億円(このうち日平トヤマによる増加分は7億円)。第1四半期としては,売上高・営業利益ともに過去最高を更新している。

 円高や,日本と北米市場の需要低迷といったマイナス要因があったが,中国やロシアなど新興国のインフラ整備と世界的な資源開発による需要が拡大した。また,鋼材価格の上昇には製品価格の値上げで対応できたので,大きなマイナス要因にはならなかった。「(需要が高まっている鉱山開発向けの機械/車両だけでなく)需要が低迷している日本や北米市場でも価格改定が順調に浸透している」(同社)という。

 事業の中核である建設機械・車両部門の売上高は5340億円で同6.4%増。日本市場は同4.1%減,米州は同2.8%減と前年同期比割れだったが,中国市場が同36.7%増,アジア・オセアニア市場が同20.1%増,中近東・アフリカ市場が同17.9%増と大きく拡大し売上高を引き上げた。欧州・CIS(独立国家共同体)は同1.9%減だったが欧州市場の減少が大きく,ロシア市場は増加しているという。なお,中近東・アフリカを中心に約130億円分の船積み遅れがあり,この分は売上高に計上されていない。

 2009年度の連結業績に関しては,2008年4月30日に発表した予想を変更せず,売上高2兆5800億円(同15.0%増),営業利益3600億円(同8.2%増)としている。