三菱自動車工業の2008年4月~6月期決算は,減収ながら増益になった(発表資料)。売上高は前年同期比3.3%減の6100億9800万円,営業利益は同64.3%増の98億5600万円。前年同期は赤字だった純損益も102億9800万円の黒字に転じた。豪州工場の閉鎖(Tech-On!関連記事)や国内販売体制の再編などのコスト削減施策が営業損益に対して約96億円の効果を生んだという。欧州を中心とした販売車種構成の改善も65億円ほどの増益要因になっている。

 自動車の販売台数は前年同期比7%減の31万4000台。国内では,SUV車種の販売が伸び悩んだことや,軽自動車の低採算取引を絞り込んだことで,前年同期から15%落ち込み,3万9000台にとどまった。北米地域は前年同期比23%減の3万7000台。カナダやメキシコでは売り上げを伸ばしたが,米国での販売台数が3割以上,落ち込んだ。新型「ランサー」は堅調だったものの,米国生産車の売り上げが大幅に減っているという。欧州地域は,ロシアやウクライナの伸びで西欧地域の低迷をカバーし,欧州全体で前年同期比14%増の9万2000台とした。アジアおよびその他の地域は前年同期比11%減の14万6000台だった。