韓国Samsung Electronics Co., Ltd.の2008年4月~6月期決算は大幅な増収増益となった。売上高は前年同期比24%増の18兆1390億ウォン,営業利益は同108%増の1兆8940億ウォン,純利益は同51%増の2兆1420億ウォンである。

 前年同期からの伸び率が最も大きかったのは液晶パネル事業。売上高は前年同期比41%増の4兆7100億ウォン,営業利益は同244%増の1兆ウォンだった。大型液晶パネルの出荷枚数は直前期比11%増の2540万枚。Samsung社やソニーなど主要テレビ・メーカーの販売が堅調で,テレビ向けパネルの需要が好調に推移したという。平均販売単価はパソコン向け,テレビ向けともに直前期比で2~3%の低下にとどまった。中小型液晶パネルも携帯電話機向け需要が好調で,出荷枚数は直前期比13%増の2530万枚となった。

 通信事業も大きく伸びた。売上高は前年同期比27%増の6兆1400億ウォン,営業利益は同114%増の7900億ウォンである。携帯電話機の販売台数は前年同期比22%増の4570万台。直前期に比べると1%減となったが3G端末に限れば41%増となっている。平均販売単価が直前期の141米ドルに対して143米ドルとなり,利益率が上昇した。

 一方,半導体事業はDRAMとNANDフラッシュ・メモリの価格下落が響き,減益となった。売上高は前年同期比7%増の4兆5800億ウォン,営業利益は同18%減の2700億ウォンだった。同社は2008年7月~9月期に56nmプロセスによるDRAMの量産と42nmプロセスによるNANDフラッシュ・メモリの量産を立ち上げる計画。NANDについてはSSDなどの次世代市場を積極的に開拓していくとした。