フィンランドNokia Corp.と米Qualcomm Inc.は2008年7月23日,GSMやEDGE,CDMA,W-CDMA,HSDPA,OFDM,WiMAX,LTEを含むさまざまな通信方式を対象とした新たな合意契約を締結したと発表した(発表資料)。この結果,両社はこれまで争ってきたすべての訴訟で和解する。Nokia社は,欧州委員会(European Commission)に申し立てていたQualcomm社に対する訴えも取り下げる。

 今回の契約に基づき,Qualcomm社はNokia社に対してライセンスを供与する。このライセンスによって,Nokia社はQualcomm社のすべての特許を,Nokia社の携帯機器およびフィンランドNokia Siemens Networks社のインフラ機器で使用可能になる。契約期間は15年。和解に関する財務上の条件には,Qualcomm社に対する前払い金や,現在支払い中の特許権使用料を含む。なお,Nokia Siemens Networks社は,Nokia社と独Siemens AGとの合弁会社である。

 Nokia社は今回,Qualcomm社に直接抵触する特許は使用しないことにも合意したという。この合意によって,Qualcomm社のチップセットにNokia社の技術を統合することが可能になるとQualcomm社は説明する。さらにNokia社は,同社が保有するいくつかの特許の所有権をQualcomm社に譲渡することにも合意した。譲渡する特許は,W-CDMAやGSM,OFDMA方式に不可欠な特許も含むという。