Nanya社の四半期売上高の推移(同社の決算説明資料より)
Nanya社の四半期売上高の推移(同社の決算説明資料より)
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 DRAM専業メーカーの台湾Nanya Technology Corp.は,2008年4月~6月期の業績を発表した(発表資料)。売上高は前年同期比21%減の95億3000万台湾ドル,営業損失は前年同期の約7倍にふくらんで41億5900万台湾ドルとなった。純損失は72億9900万台湾ドルである。DRAMの出荷量は前年同期比で65%増加したが,平均販売単価が48%下落し,収益が悪化した。

 今後のDRAMの需要動向についてNanya社は,パソコン向け,デジタル家電向けともに世界経済停滞の影響を受けると予測する。また,メモリ・メーカー各社がNANDフラッシュ・メモリの生産能力をDRAMに振り向ける可能性を懸念している。ただし,パソコン1台当たりのDRAMの平均搭載容量は2008年下期に2Gバイトに達するとみる。価格は,大口価格は2008年7月~9月にやや上昇するものの,スポット価格は引き続き厳しい状況が続くと同社は予測する。

 決算説明資料の中でNanya社は,米Micron Technology, Inc.とのジョイント・ベンチャー(Tech-On!関連記事)の進捗状況を明らかにした。両社は2008年4月21日に正式契約を締結済みで,2009年上期中に50nmプロセスおよび68nmプロセスを採用したスタック型DRAMの製造を始める計画という。