米SanDisk Corp.は,2008年第2四半期(2008年4~6月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比1.3%減の8億1601万米ドルと微減だったものの,営業損益と純損益は前年同期の黒字から赤字へ転落し,大幅に減少した。営業損失は1億123万米ドル,純損失は6788万米ドルを計上している。

 「消費者マインドの急速な低下により米国の小売店や携帯電話機のOEMメーカーが販売不振に陥った結果,当社の2008年第2四半期業績は当初の予測を下回った」と,同社のChairman兼CEOであるEli Harari氏はコメントを寄せた。全体的な需要は年末商戦に向けて上向くと予測するものの,産業全体にわたってフラッシュ・メモリの在庫は過剰な状態が続いており,需給バランスが均衡するまで価格は低下圧力にさらされる見込みという。これに対し,「我々は,供給量の伸びを鈍化させるための対策を採っている。我々は設備投資額をこれまでの公表値より削減し,在庫状況を改善させる計画」とHarari氏は説明する。同社は,「Fab 4」における次の生産立ち上げ時期を2009年4月以降に延期する。このほか,市況が回復するまで「Fab 5」への投資の決定を先送りにする方針である。加えて,43nm世代の多値フラッシュ・メモリへの移行と,1セル当たり3ビットのフラッシュ・メモリの商品化によって,コスト構造の改善も図っているとする。

 売上高の内訳を見ると,製品の売上高は対前年同期比4.5%減の6億8751万米ドルで,ライセンス料およびロイヤリティによる売上高は同20.1%増の1億2850万米ドルだった。2008年第2四半期に販売した製品の総容量(Mバイト)は同120%増で,過去最高を記録した。1Mバイト当たりの平均価格は同55%下落した。直前期と比べると15%の下落である。

 SanDisk社は,2008年第2四半期に超低価格パソコン(ultra low cost PC:ULCPC)向けのSSDの製品群を市場投入した。また,東芝と書き換え可能な3次元メモリの共同開発および商品化に関しても,戦略的合意に達している。