KDDIの2008年4月~6月期決算は増収減益だった。売上高は前年同期比3.1%増の8705億2000万円,営業利益は同11.7%減の1243億7300万円,純利益は同12.2%減の724億5500万円である。

 携帯電話事業は,ツーカーが2008年3月末でサービスを終了したことに伴う純減もあり,4月~6月期はKDDIとして3万件の純減になった。2008年6月末時点での累計契約数は3030万件,市場シェアは29.2%となっている。

 契約が伸びなかったことについて代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は,携帯電話機向け統合プラットフォーム「KCP+」の導入が遅れたために端末の市場投入が遅れたことが主因と説明する。「春商戦は,魅力ある端末を揃えられなかった。夏からはそういう問題はない」(小野寺氏)。

 2008年度(2008年4月~2009年3月)の業績見通しは,3月時点の予測を据え置いた。売上高が前年度比2.9%増の3兆7000億円,営業利益が同10.6%増の4430億円と増収増益を見込む。

 ソフトバンクモバイルが2008年7月11日に発売した「iPhone」がKDDIや業界に与える影響については「Appleに関心の高い人たちが買っていると認識している。数字(販売台数)は出るだろうし,当社にもそれなりに影響するだろう。ただし,iPhoneはワンセグやFeliCaなどを装備していない。ユーザーはそれをどう受け止めるのか。1台目の端末として使うのか2台目なのか,その見極めもこれからなので,影響の大きさはまだわからない」(小野寺氏)。