米Advanced Micro Devices,Inc.(AMD)は2008年7月17日,同社のPresident and CEOであるHector Ruiz氏の辞任と,President and COOだったDirk Meyer氏のPresident and CEOへの就任を発表した。Ruiz氏はExecutive Chairmanに就任する。

 Ruiz氏は2000年に同社President and COO,2002年に同CEOに就任した。その後,AMD社は2003年に開発した,単位消費電力に対する浮動小数点演算性能が高いマイクロプロセサ「Opteron」を武器に,米Intel Corp.のシェアを奪うなど勢いを見せていた。しかし,2006年7月にグラフィック処理LSIの米ATI Technologies,Inc.を巨額で買収したことで経営収支が悪化。Intel社の強力な巻き返しに有効な新技術を打ち出せなかったことも手伝って苦戦が続いていた。2008年4月には,Opteronの開発に携わった同社CTOのPhil Hester氏が辞任。後任はまだ決まっていない。2008年7月8日には,2005年から提携していたアニメーション映画制作の米DreamWorks Animation SKG,Inc.が,Intel社に提携先を乗り換えることを発表。AMD社にとっての重要な顧客が逃げ出す事態に陥っていた。

 新CEOのDirk Meyer氏は46歳と若い。1995年に当時のDigital Equipment Corp.(DEC)から移籍し,マイクロプロセサ「Athlon」などの開発に携わった。2006年に同社のPresident and COOに就いていた。