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【マイコンデータ室】Intelプロセサの系譜(1)「Pentium~PentiumIII」

  • 大原雄介=フリーランス テクニカルライター
  • 2008/07/22 13:30
  • 1/2ページ

 米Intel Corp.のCPUの系譜を組み込み用途の観点で辿ってみる。同社が,ここまでシェアを伸ばした理由がパーソナル・コンピュータ(PC)の普及にあるのは間違いない。PCが登場した当初は,そのまま業務用途に使われることも少なくなかった。つまり,この時点では「組み込み向け」という分野は,まだ存在していなかったわけだ。8ビットMCU「8051」など一部の製品は,この当時からPCのキーボード・コントローラに使われていたが,いわゆるx86系に限って言えば,組み込みを意識した最初のプロセッサはおそらく「80186/80188」ではないだろうか。もっともx86系のメインストリームは「80286」に続き「80386(i386)」の開発に着手しており,80186/80188は,これに引きずられる形で進化したことから,同社の製品系列の中では決して大きな存在にはならなかった。

 これに続く「80486(i486)」が登場したころから,「組み込み用途」の存在が,もう少し浮き上がってくる。メインストリーム向けは組み込み用途には高価すぎるため,「i386SX」や「i486SX」を組み込み用途に選択するユーザーが出てきた。実際のところi386の場合は,外部バスが16ビットか32ビットかという違いがあったことなどからSXとDXの間で性能が大きく異なるために,性能が必要ならば「i386DX」が選ばれた。ところがi486の場合SXとDXの機能的な違いはFPUを有効にする/しないだけだったので,ほとんどの組み込み用途ではi486SXが使われた。一方,このころになるとCPUを冷却するために空冷ファンが必要になってきた。このため消費電力の低い「i386SL/i486SL」を選択するユーザーもいたようだが,これは全体から見ればまだ少数派であった。

Pentium登場のころから組み込み用が明確に

 こうした動きががらっと変わるのは,「Pentium」の投入以降である。1993年に投入された初代Pentium(通称「P5コア」),これに続く2代目Pentium(FDIVバグで有名になった「P54Cコア」)のころは,CPUとチップセットの両方が高価だったことと,PCIバスがそれほど普及していなかったことから,もっぱら用途はPC向けだった。ところが,0.6μm のCMOSプロセスを採用した3代目の「P54CSコア」,さらにMMXユニットを追加してパイプラインも若干増した「P55コア(ここから名称はMMX Pentiumとなった)」あたりから,次第に組み込み向けの採用例も増えてきた。CPUと併せて3チップ構成というのは使いにくいということで,「P54C/P55C」に430HXチップセット,L2キャッシュ用PBSRAMを統合した「EMBMOD」というモジュールが,このころ組み込み向けにリリースされた。ただし,このシリーズはここで打ち止めとなってしまう。むしろ,P55Cの低消費電力版である「Mobile MMX Pentium」や,同プロセッサに0.25μmのCMOSプロセスを使って低消費電力化と高速化を進めた「Tillamookコア」が,低消費電力を要求される小型機器向けに使われるようになっていった。


(画像のクリックで拡大)

 MMX Pentiumと同時期にIntel社が開発していたのが全く新しい「Pentium Pro」,通称P6コアである。内部をRISCプロセッサ化し,アウトオブオーダ実行を搭載,大容量L2キャッシュをMCM(Multi-Chip Module)で搭載するこのCPUは,サーバー向けにはそれなりのシェアを掴んだものの,デスクトップや組み込み用途は依然としてMMX Pentiumが主流だった。これを置き換えるべく投入されたのが,Pentium ProにMMXユニットを付加,Windows 3.1/95が主流のマーケットに対応すべく16ビット演算の処理性能を上げたPentiumIIである。L2キャッシュをMCMで搭載するのは高コストになりすぎるとして,L2用PBSRAM(Pipelined Burst SRAM)モジュールを動作速度の半分で接続するという構造になったPentiumIIは,当然の様に巨大化し,カートリッジ形状のCPUを「Slot 1」と呼ばれたコネクタに装着する形になった。1998年には0.25μmCMOSプロセスを採用し,速度を向上させた「Deschutesコア」に切り替わるが外見は同じで,組み込みやモバイル向けには到底適さないものだった。これはIntel社も重々承知で,プロセスを若干微細化(0.25μm→0.22μm)すると共に,L2キャッシュをオンダイで搭載したDixonコアを開発,これを「Mobile PentiumII」として発表する。ちなみに旧来のDechutesコアとL2キャッシュを組み合わせたモジュールの形のMobile PentiumIIも同時に提供されたが,ほとんど利用されずに終わっている。

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