フィンランドNokia Corp.の2008年4月~6月期決算は,増収ながら減益だった(発表資料)。売上高は前年同期比4%増の131億5100万ユーロ,営業利益は同38%減の14億7400万ユーロ,純利益は同61%減の11億300万ユーロである。ただし,ドイツBochum工場の閉鎖(Tech-On!関連記事1同2)に伴う費用など,一時的な要因を除けば,前年同期比で増益だったという。

 携帯電話機の販売台数は前年同期比21%増の1億2200万台だった。アジア太平洋地域で同42%増の3640万台を売り上げ,同社の販売台数構成比で約3割を占める最大区分となった。このほか南米の成長率が39%,中東アフリカが23%と高い伸びを示した。一方で北米の成長率は4%にとどまり,欧州では横バイとなっている。

 Nokia社の携帯電話機の世界市場シェアは,直前期の39%から40%へ拡大した(同社推定)。ただし,低価格帯の機種の販売構成比が拡大したため,平均販売単価は前年同期の90ユーロに対して79ユーロに低下している。

 Nokia社は2008年の携帯電話機の世界市場規模が前年比で10%あるいはそれ以上,拡大するとみている。同社は2007年の市場規模を11億4000万台と推定しており,2008年は少なくとも12億5000万台を超えるとの見方である。同社は成長が続くこの世界市場において,さらにシェアの拡大を目指すとした。