3次元コンピュータ・グラフィックスを用いて,「MacBook Air」の内部構造の検討を試みた。分解した実物を基に3次元モデルを作成してもらい,部品の位置関係を調べた結果を紹介する。なお,作成した3次元モデルを用いて,分解を疑似体験できるコンテンツをこちらに用意したので,あわせてご覧いただきたい。(以下の本文は,『日経ボード情報』,2008年夏号,pp.17-22から転載しました。数値や部品名は本誌の推定です)

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 2008年1月の登場以来,ユーザーのみならず,「どうやって薄くしたのか」と技術者の興味を引きつける米Apple Inc.のノート・パソコン「MacBook Air」。最薄部4.0mm,最厚部でも19.4mmという薄さだけではなく,筐体の端に行くほど薄くなるというデザインが,数値を超えた強い印象を与える。これだけの薄さを達成するため,薄板状の特殊な形状のLiポリマ2次電池セルを採用するといった部品の工夫のみならず,個々の部品を最適配置する実装方法や,筐体の剛性を高めるため数々の工夫を施している。

 今回,日経ボード情報ではMacBook Airの薄さを実現した工夫を数値だけではなく直感的につかむべく,部品の配置を立体的に見せるイラストを駆使して観察してみた。それにより,筐体やキーボード,メイン基板,電池,さらには液晶パネルやバックライトなどの各種構成部品が,いかにして干渉せずに狭いスペースの中に収められているのか,手に取るように明確になってきた。