「iPhone 3G」の2次電池の配置に,疑問を抱いた技術者たちと日経エレクトロニクス分解班( Tech-On!の関連記事1 )(後に, 2次電池交換は本体まるごとの交換であることが明らかに なった)。次はいよいよ,メイン基板を覆うシールドを取り外して,基板の分析に取りかかる(図1)。
メイン基板の表側をまずは観察してみる(図2)。基板の中央右側には,Apple社のロゴマークが入ったLSIがあった。表面には「339S0036 ARM K4X1G163PC-DGC3」の文字が見える。型番は異なるが,2G版「iPhone」にも同種類のLSIが実装されている( Tech-On!の関連記事2 )。これより,ARMコアを内蔵するアプリケーション・プロセサであると推測される。
基板の左下には「337S3394」と刻印されたLSIが実装されている。「おそらくベースバンドLSIだろう」と分解に協力した技術者は推測する。さらに基板の右下には,米Skyworks Solutions, Inc.製のパワー・アンプ・モジュールである「SKY77340」が実装されていることから,「この部分が,W-CDMAやGSM用のRF回路部だろう。おそらく『338S0353』がW-CDMAやGSM用の送受信LSIではないか」(分解に協力した技術者)。
続いて,基板の裏側を見てみる(図3)。裏側には実装されている部品が少ないことが分かる。基板裏側はLiポリマ2次電池に接触するため,「放熱用のシートが張られているようだ」と技術者は推測する。
基板の右側にシールドで覆われた部分を開けてみると,「TOSHIBA R67657 JAPAN 0805 KCE」の刻印があるチップが姿を現した(図4)。おそらく,「東芝製のフラッシュ・メモリだろう」(分解に協力した技術者)。
―― その5へ続く ――