米NanoMarkets, LCは,薄膜太陽電池が2015年に26GW分の電力を生み出し,その売上高は200億米ドルを上回るとの見通しを発表した(発表資料)。この成長の要因は,いろいろな種類の薄膜太陽電池が普及するほか,現在主流となっている結晶Si太陽電池に比べて,低コストで柔らかく,製造しやすい薄膜太陽電池が登場するためという。同社は,2015年までに太陽電池が生産する電力のうちの半分以上が,薄膜太陽電池によるものになると予測する。

 薄膜太陽電池は,低コストで,軽く,フレキシブル基板の上に製造できるため,特に住宅向けの人気が高まりそうだという。住宅向けの薄膜太陽電池の市場は,2015年までに23億米ドルに成長するとみる。

 種類別に見ると,CdTe(カドミウム・テルル)薄膜太陽電池市場は成長を続け,2015年に同市場の売上高は87億米ドルになると見込む。CdTe半導体は光吸収係数やエネルギー・バンド・ギャップが高いという利点を持つ。また,以前に懸念されていた環境への影響も小さくなっているようだと説明する。

 CIS/CIGS太陽電池は,値段が高く,製造に関する課題が存在するものの,薄膜太陽電池産業の中ではまだ際立った存在という。NanoMarkets社は,同市場の売上高が2015年までに50億米ドル近くまで達すると見込む。