「iPhone 3G」の上下の筐体を取り外した技術者たちは,続いてメイン基板や2次電池を搭載する筐体下部の取り外しにとりかかった( Tech-On!の関連記事1 )。メイン基板を固定しているネジを外していく(図1)。
「何でこんなにネジが多いんだ。外側にはネジは2本しかなかったのに」と技術者は疑問を投げかける。メイン基板と筐体を接続するネジの本数を数えると20本あった。何とかすべてのネジを外し終えて,筐体からメイン基板を取り外すと2次電池が姿を現した(図2)。
電池は,2G版「iPhone」と同様にLiポリマ2次電池を搭載する( Tech-On!の関連記事2 )。電源電圧が+3.7Vであるが,電池容量などは記載されていない。
詳細に観察すると,Liポリマ2次電池は国内メーカーの携帯電話機と同様に,メイン基板と専用端子を用いて接続していることが分かる(図3)。2G版iPhoneではメイン基板とLiポリマ2次電池は,はんだ付けされていた。一人の技術者は「作業性を向上するために専用端子を採用したのだろう」と推測する。
しかしここでLiポリマ2次電池を観察していた別の技術者が,意外な言葉を発した。
「電池が筐体から外れない」――。
Liポリマ2次電池は筐体に強力に接着しているため,簡単に外れそうにない。加えて,「2次電池が筐体の最も奥側に配置している。2次電池は交換可能なのだろうか」技術者たちは首を傾げた。
―― その4へ続く ――