米Apple Inc.が手掛ける「iPhone 3G」を入手した日経エレクトロニクス分解班( Tech-On!の関連記事 )。設計思想を探るため,ある国内部品メーカーの技術者の協力を仰ぎながら早速分解に取りかかった。

 iPhone 3Gの端末全体を眺めると,筐体の外側には存在するネジはわずかに2本と少ないことが分かる(図1)。

図1 「iPhone 3G」の外側にあるネジは2本のみ
図1 「iPhone 3G」の外側にあるネジは2本のみ (画像のクリックで拡大)

 「外観を重要視するApple社ならではの設計だ。この機構設計では,上下の筐体を取り外すのはなかなか難しい」と技術者はつぶやく。技術者は2本のネジを外した後,力任せに上下の筐体の間に工具を差し込んでいった(図2)。数分間の格闘の後,なんとか筐体を上部(表示部)と下部(回路部)の取り外しに成功する(図3)。

図2 上下の筐体の間に工具を差し込む技術者
図2 上下の筐体の間に工具を差し込む技術者 (画像のクリックで拡大)

図3 筐体の上部(表示部)と下部(回路部)は無数のコネクタでつながっている
図3 筐体の上部(表示部)と下部(回路部)は無数のコネクタでつながっている (画像のクリックで拡大)

 上下の筐体を並べてみると,コネクタ部に1~6までの番号が割り振られていることが分かる(図4)。技術者は,「番号を割り振ることで接続の順番や作業性の効率を図ったのではないか」と推測する。

図4 コネクタ部に1~6までの番号が割り振られている
図4 コネクタ部に1~6までの番号が割り振られている (画像のクリックで拡大)

分解はまだ始まったばかり。技術者は続いて,筐体下部(回路部)の分解に取りかかった。

―― その3へ続く ――