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SystemCがハード設計の枠を超える予感,SystemC Japan 2008で東芝が基調講演

2008/07/09 20:02
EDA Online特派員
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SystemC Japan 2008会場 日経BPが撮影。
SystemC Japan 2008会場 日経BPが撮影。
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 SystemCをテーマにした講演会「SystemC Japan 2008」が2008年7月4日に横浜市(新横浜)で開催された。これまでSystemCは専らハードウェア設計者の道具だったが,今後は,その枠を超えてアーキテクチャ設計者やソフトウェア開発者にも普及していくことを感じる内容だった。

 今回の講演会の最初に,参加申し込み状況の説明があった。申し込み総数は444名だった。参加者の担当業務の紹介もあり,ハードウェア設計の担当者が180名,管理職/PMが150名,ハードウェア検証の担当者が116名,EDA/環境構築の担当者が112名,アーキテクチャ設計の担当者が76名,ソフトウェア設計の担当者が46名とのことだった(複数回答があるため合計は,申し込み総数とは一致しない)。

 実際の参加者数(出席者数)は,312名だった。ちなみに,昨年は300名の申し込みに対して参加者数は200名だった。今年の参加者数は,昨年の1.5倍になったことになる。OSCIによるTLM2.0の標準化(Tech-On!関連記事1)や,半導体理工学研究センター(STARC)の『TLモデリングガイド』(同2)の発刊など,実用面での進展があり,SystemCの利用に対する関心が高まってきた。

 システム・レベル記述言語のSystemCは,大きく分けて三つの領域で活用が図られてきた。すなわち,システム/アーキテクチャ設計,ハードウェア設計・検証,ソフトウェア先行開発である。今までのSystemC関連の講演会では,聴講者はハードウェア設計者が大多数を占める状況だった。今回のSystemC Japan 2008では,アーキテクチャ設計者とソフトウェア設計者を合わせると,申し込み者の1/4を上回る。SystemCの活用がハードウェアの設計・検証から,アーキテクチャ設計やソフトェア開発に広がっていることを窺わせる。

対称型マルチプロセサを備える

 今回の講演会で,最初に登壇したのは,東芝の古山 透氏(セミコンダクター社半導体研究開発センター センター長)である。同氏による基調講演のタイトルは,「ESLによるSoC開発プラットフォームの実現」だった。

 東芝では,大規模高機能化が要求されるSoCの開発において,コンフィギュラブル・コアの「MeP」をヘテロジニアスなハード・エンジンへ組み込む時に,ESL技術を活用してきた。具体的には,高速なC言語モデルを使ってハード-ソフトのトレードオフや機能検証を実施したり,動作合成による設計効率化を推進しているという。

 同氏は,ヘテロジニアス構成のSoCに続く,次世代のSoCアーキテクチャとして,「Venezia」と呼ぶプラットフォーム紹介した。Veneziaでは,コンフィギュラブル・コアのMePを固定的なプロセサとして使って,スケーラブルなマルチプロセサ・サブシステムを構成する。

 このマルチプロセサ・サブシステムは,対称型(ホモジニアスな)である。すなわちMePにコ・プロセサを付加したメディア・プロセシング・エンジン(MPE)の個数を,要求仕様に合わせて変える。そしてスケジューラを介して,「V-Thread」というタスクをMPEに割り振って,ホモジニアスなサブシステムを構成している(日経エレクトロニクス関連記事)。

 非対称型(ヘテロジニアスな)マルチプロセサはIPコアの再利用をベースに設計を進めることが多い。これはハードウェア設計者に馴染みがある方法である。一方,古山氏が紹介したホモジニアスなマルチプロセサ・サブシステムを持つVeneziaは,ソフトウェア設計オリエンテッドなスケーラブル・プラットフォームと言える。

 冒頭で紹介したように,アーキテクチャ設計者やソフトウェア設計者が多数参加するようになったSystemCの講演会に相応しい基調講演だった。これは,今後のSystemCの方向性をも示している。

 さらに同氏は,ベルギーIMECの「ADRES」や半導体理工学研究センター(STARC)で検討している「Sea of Processors」などのプロジェクトを紹介した。こうしたプロジェクトでは,コンパイラとスケジューラの技術の開発に力が入っているという。既にESL技術は実用展開のフェーズに入っていて,その次の技術開発に取り組んでいるという印象を受けた。

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