市場調査を手掛ける富士経済は,エネルギー関連システムの国内市場に関する調査結果を発表した。これによれば,太陽電池システムの国内市場は今後,縮小する見通しという。2007年度(2007年4月~2008年3月)の太陽電池システム関連の国内売上高は1487億円,これに対して2016年度は1143億円になると予測した。

 原料にシリコンを使わない,もしくは使用量を抑えた太陽電池の市場が拡大しており,システムの平均価格が下がる傾向にあること,住宅向け需要が伸びず価格競争が激化していることから,金額ベースでは市場が縮小すると富士経済はみている。なお,有機物系の太陽電池に限れば,2016年度の国内売上高は2008年度の約2.4倍となる55億円になる見込み。こうした非シリコン系の伸びが期待できることから,数量ベースでは横バイと予測する。

Liイオン2次電池市場はハイブリッド車がけん引

 Liイオン2次電池の国内市場は2010年以降,ハイブリッド車向け需要がけん引役となって拡大すると富士経済は予測する。2016年度の国内売上高は,2007年度の約2.9倍の1108億円に達するとした。

LED照明がインバータ蛍光灯を2011年に抜く

 照明機器(業務用のインバータ蛍光灯とLED照明)の国内売上高は2015年度に2007年度比で約2.6倍となる419億円と富士経済は予測した。LED照明の市場形成が当初予想されていたよりも早く進み,主要メーカーが設備投資を拡大している。LED照明の国内市場規模は2011年にインバータ蛍光灯を上回ると富士経済はみている。

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