実費2000円で参加者に配布された電子工作キット
実費2000円で参加者に配布された電子工作キット
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講師を務めた有限会社ライジングシステムの斎藤良太氏
講師を務めた有限会社ライジングシステムの斎藤良太氏
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隣同士で協力して作ったフリップフロップ回路
隣同士で協力して作ったフリップフロップ回路
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 オブジェクト指向を中心とする技術について実践,研究,発表する有志のIT系技術者のグループ「オブジェクト倶楽部」は2008年7月1日,「2008夏イベント」を開催した。このイベントで「見て,触って,作って,解る電子回路工作 ブレッドボードから始めるCPUへの道」と題したワークショップが開かれた。普段はハードウエアになじみのないIT系技術者に,コンピュータの基盤である電子回路を実体験してもらうことを目的としたものだ。

 ワークショップには10数人のIT系技術者が参加した。多くの参加者は,電子回路は初体験。このため,電子回路の組み立てには,ブレッド・ボードと呼ばれるはんだ付けが不要な配線用ボードを利用した。参加者は二人1組になり,わからないところを教え合うというスタイルで進められた。

 まず,乾電池でLEDを光らせるところから体験。LEDや抵抗といった個々の部品の特性に関して,講師が丁寧に説明していった。参加者が次に組み立てたのが2個のダイオードを利用したORゲート回路である。次いでANDゲート回路を組み立てた。このANDゲートにトランジスタを追加することで,NANDゲート回路にした。

 2個のNANDゲートを使うことで,RS型のフリップフロップ回路を実現できる。そこで,隣同士の参加者が,それぞれ組み立てた2個のNANDゲートをつなぎ,フリップフロップ回路を作った。これを動作させることで,状態が保存されることを確認した。次にロジックICを使い,NANDゲートなどの動作がロジックICだけで実現できることを体験。ロジックICによるフリップフロップ回路を作成した。この後,半加算機や全加算機の作成も予定されていたが,時間の都合で参加者への課題になった。

 最後に,昔懐かしいゲルマニウム・ラジオを作成した。ゲルマニウム・ラジオは感度が悪いため,次いで1石アンプを追加。イベント会場は電波状態がよくなかったが,かすかにラジオ放送を受信できることを参加者が確認した。