ソニー会長兼CEOのHoward Stringer氏
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ソニー社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏
ソニー社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏
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 「2008年度にテレビ事業を黒字化し,2010年度までに液晶テレビで世界No.1を目指す」。ソニーは2008 年6月26日に経営方針説明会を開催した(Tech-On!関連記事1関連記事2)。同社 会長兼CEOのHoward Stringer氏は,コア事業の一つであるテレビ事業について上記のような目標を示した。2010年度には,「15~20%のシェアを取りたい」(ソニー社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏)とした。なお,同社の2008年度の液晶テレビの販売目標を1000万台としている。

 ソニー社長の中鉢氏は,2005年以降の同社のテレビ事業を振り返り,「世界的な販売ネットワークにより『BRAVIA』ブランドを短期間で立ち上げることができた」と事業が順調に推移してきたことを強調した。中鉢氏はテレビ事業の赤字化が続く要因として,液晶テレビの多品種化によるシャーシ数の増加,先進国向けの高級モデルへのリソースの集中,CRTテレビやリアプロ・テレビの収束への対応の遅れなどを挙げた。

 ソニーは今後,液晶テレビ事業の収益性を改善するために,製品の差異化とコスト削減の二つに取り組んでいくとする。他社製品との差異化を支える部品として,機能性フィルムやバックライト光源に用いるためのLED,専用LSIなどの内製化を進めていく。これらの部品を採用することで,「薄型化,低消費電力化,高速動画応答性などを備えた液晶テレビを実現していく」(ソニーの中鉢氏)という。

 コスト削減の施策として,コスト競争力のある液晶パネルの確保に加えて,シャーシ数の削減,設計リード・タイムの短縮,消費地生産の加速などを掲げる。これらにより,「1年で複数回の機種切り替えが可能になり,市場の要求に迅速に対応できる」としている。なお,液晶パネルの製造についてソニーは既に,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.との合弁会社であるS-LCDで製造するほか,2008年2月26日にシャープと合弁会社を設立する「意向確認覚書」を交わしている(Tech-On!関連記事3)。

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