地上デジタル放送推進協会(Dpa)は2008年6月23日,地デジ対応録画機など向けの新しい著作権保護ルール「ダビング10」への運用切り替え実施日を2008年7月4日午前4時にすると正式に発表した。ダビング10の実施は2008年6月19日に行われた総務省「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」(デジコン委,情報通信審議会の下部組織)において決定され,7月4日の実施をめどにDpaが中心になって調整していた。

 メーカー各社は,既に販売済みのダビング10対応地デジ録画機器に関してはファームウエアをアップデートすることで対応する。放送波を使ったファームウエア配布と自動アップデートを利用する。実施日の確定から実施日まで2週間を切る慌ただしいスケジュールとなり,「特別対応で準備する。それでも対応ファームウエアの配布開始は実施日ギリギリになりそう」(関係者)という。

 ダビング10の実施は当初,2008年6月2日午前4時に実施される予定だった。実施に当たってはデジコン委が2007年8月に公表した「第4次中間答申」に基づき同委員会で「関係者の合意」を確認した手はずになっていた。6月2日までにダビング10機器への私的録音録画補償金制度の適用を巡る権利者と機器メーカーの対立が解決できなかったため,実施が延期されて宙に浮いた形になっていた。6月19日に行われたデジコン委の第40回会合において権利者が譲歩したため,急転直下の実施が決まった。