2008年6月14日の午前8時43分ころ,岩手県内陸南部を震源とした岩手・宮城内陸地震が発生した。岩手県奥州市衣川区や宮城県栗原市一迫の震度6強など,東北地方を中心に大きなゆれを観測した。経済産業省によると,13時時点で原子力発電所(女川1~3号機,東通,福島第一1~6号機,福島第二1~6号機)に異常は確認されていないという。東北地方に工場を持つ製造業各社は被害状況の把握を進めており,関東自動車工業の岩手工場(岩手県胆沢郡金ケ崎)でボディが搬送ラインのハンガーから落下しているのを確認されるなど,一部製造業には影響が出ているようだ。

 関東自動車工業の岩手工場内に設置している震度計では,震度5.6を記録したという。土曜日だったために生産ラインは動いていなかったが,整備関係で約300人が工場内にいたという。同社によると,1人だけ避難時にねん挫したものの,午前10時の時点で全員の無事を確認できた。

 同社の岩手工場では現在,復旧作業を進めているが,16日(月)にラインを動かすどうかは現時点で未定だ。余震の心配もあり,安全及び品質確保を確認できてから決める予定である。同社東富士工場(静岡県裾野市)がテレビ会議システムなどを活用しながら,岩手工場の状況把握と支援を行っている。