Bluetooth SIGの日本担当のテクニカル・マーケティング・マネージャの本保孝治氏(左)と,ビーテーキュー 取締役の酒井五雄氏
Bluetooth SIGの日本担当のテクニカル・マーケティング・マネージャの本保孝治氏(左)と,ビーテーキュー 取締役の酒井五雄氏
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 Bluetoothの普及促進活動を進めるBluetooth SIGは,国内の業界団体であるモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)との協力関係を強化することを明らかにした(発表資料)。

 今回の関係強化によりMCPCは,Bluetooth SIGの各作業部会(WG:ワーキンググループ)において,正式なリエゾンを参加させることが可能になる。SIGには現在,拡張仕様を策定するための作業部会が多数活動中であり,これまでもMCPCは独自にサブワーキンググループを立ち上げて議論を進めるなど,拡張仕様作りに積極的に関わってきた。今回, 正式な文書によってMCPCの役割が位置づけられた。Bluetooth SIGが,外部の団体とこうした契約を締結したのは今回が初めて。AV機器への普及拡大に向け,日本のメーカーの意見を取り込みやすい体制を整える狙いとみられる。

Excellence Award を受賞

 例えば,AV機器をリモート制御する「AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)」の仕様に関しては,MCPCのサブワーキンググループでの議論内容が広く採用され,拡張仕様「AVRCP1.3」として制定された。MCPCは今回の合意により,同様の取り組みをさらに自動車やヘルスケア向けプロファイル策定においても進めて行きたい考えだ。例えば,携帯機器に向けた低消費電力仕様「low energy」や,「remote display」などにおいても,MCPCのサブワーキンググループの議論が反映されやすくなる見込みという。

 ただし,MCPCがBluetooth SIGのWGにリエゾンとして参加を委託できる企業には条件がある。それは,MCPCの会員企業であることと,Bluetooth SIGのAssociateまたはPromoterメンバー企業でなければならない。

 MCPCは今回同時に,Bluetooth SIGから「Excellence Award」を授与されたことも明らかにした。2008年4月に米国で開催された内部イベント「All Hands Meeting」において授与されたもの。Excellence Awardは今回から新設されたもので,Bluetoothの普及促進に大きく貢献した団体などが表彰される。加えて,国内でBluetoothのロゴ認証に関する業務を手掛けるビーテーキュー 取締役の酒井五雄氏が,「Hall of Fame」として表彰された。Hall of Fameはこれまでに世界で11名が受賞しているが,アジア地域から受賞者が出たのは今回が初めて。酒井氏はBluetoothの認証業務を手掛けられる資格を持つ「BQE(Bluetooth Qualification Expert)」の一人。酒井氏は東芝に在籍中の10年以上前から,Bluetoothの法的認証取得業務などに関わっており,そうした長年の取り組みが国際的に評価された格好である。