マイクロソフトは2008年6月11日,6月4日に発表した「Microsoft Expression Studio 2」の記者説明会を開催した。Expression Studioは米Microsoft Corp.が開発したデザイナー向けの製品群。2007年7月に最初の製品が出て,1年経過して新しい版を投入する。主として,Microsoft社のRIA(rich internet application)技術である「Silverlight」への対応を強化した。Silverlightの普及状況について具体的な数字での説明はなかったものの,2008年3月に正式版が出て「かなりの速度でインストールが進んでいる」と説明した。

 Expression Studio 2は「Expression Web 2」「Expression Blend 2」「Expression Media 2」「Expression Encoder 2」「Expression Design 2」「Visual Studio 2008」をまとめて一つのパッケージとしたもの。これらのうち,Expression Design 2以外は単体の製品としても提供している。

 これらのうち,コンテンツ開発に使われるツールがExpression Web 2とExpression Blend 2である。Expression Web 2はWebサイトの作成ツールで,Web標準に合致したコンテンツ作成を支援する。例えば旧来のタグで,XHTML 1.1では推奨されない記述方式について警告をリアルタイムに表示できる。また記述言語としてPHPに対応したほか,米Adobe Systems Inc.の「Photoshop」のデータをインポートする機能などを実装している。Silverlight用のコンテンツを埋め込むためのコード生成機能を備えている。

 Expression Blend 2はWindows Vistaで搭載した「Windows Presentation Foundation(WPF)」に基づくユーザー・インタフェースを記述するためのツール。Visual Studio 2008にもWPFに基づくビジュアルな設計機能はあるが,WPFを活用したデザイン性の高いユーザー・インタフェースは実現できない。Expression Blend 2を連携させることで,凝ったデザインのユーザー・インタフェースを実現できる。Silverlightに対応し,JavaScriptによるロジックの記述を可能にしている。

 Expression Media 2はデザイン情報や画像など,コンテンツを構成する要素を管理するためのツール。検索機能を搭載したほか,Virtual Earthと連携してどこで作成した画像なのかを管理する機能を備えた。Expression Encoder 2は動画のエンコードやライブ配信などを実現する。Silverlight用のテンプレートを強化している。Expression Design 2はベクタ・グラフィックスを作成するためのツール。最終成果物をWPFのデザイン要素として利用できる。