三菱化学の有機太陽電池のイメージ
三菱化学の有機太陽電池のイメージ
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電力と光源種類の違いによる10年間の費用の比較(光源部分)。日産1万株クラスの植物工場で,光源に必要な電力をすべて発電した場合。
電力と光源種類の違いによる10年間の費用の比較(光源部分)。日産1万株クラスの植物工場で,光源に必要な電力をすべて発電した場合。
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 三菱化学は,フェアリーエンジェルと共同で,太陽電池を用いた植物工場の検証を進める計画を発表した(関連記事)。太陽電池と蓄電池,LEDを活用することで,植物工場での電力コストとCO2排出量の削減を目指す。

 太陽電池を使えば,植物工場でのCO2排出量の削減が可能である。ただし,導入コストの高い結晶Si型太陽電池をLEDと組み合わせて使う場合,商用電源と蛍光灯の組み合わせよりも,稼働から10年間に必要な費用が増えてしまう。これに対して三菱化学は,結晶Si型太陽電池の代わりに有機太陽電池を使えば,この問題を解決できるとする。

 三菱化学は,2010年までにモジュール変換効率が7%の有機太陽電池を試作するとともに,2015年に同15%の有機太陽電池の実用化を目指している(関連記事)。有機太陽電池の植物工場への導入が進めば,有機太陽電池の販路の早期構築が可能になる。同社は,2015年に植物工場関連で100億円の売り上げを見込んでいる。

日経マイクロデバイス6月号では,三菱化学で太陽電池事業を統括する星島時太郎氏のインタビューを掲載しています。

また,日経マイクロデバイス主催の「太陽電池セミナー2008」では,三菱化学で有機太陽電池の開発を担当する山岡 弘明氏が講演予定です。