最終回の今回は,ネットへの録画機能など,新しいレコーダーの機能をユーザーがどう捉えているかを見る。

 設問では,既に一部の機種に搭載されている機能も含めて,6種類の機能についてユーザーが次に購入するレコーダーに「あった方が良い」と考えているかどうかを聞いた。その結果が図1である。


図1●レコーダー新機能への期待度

 約半数が「あった方が良い」と答えたのが「見ている番組をワンタッチで録画するなど,テレビとレコーダーが連動する機能」と「ハード・ディスクを簡単に増設・交換する機能」。テレビとレコーダーの連携については,現状使っているユーザーは約2割にとどまっており,機能があっても使っていないというユーザーも多いが,使い勝手の向上を望むユーザーは,かなり多いことが分かる。

 ハード・ディスクの容量については「今後購入したいレコーダーの仕様」として平均で1Tバイトを超えるほどユーザーは容量に飢えている。DVDなどに録画するのもハード・ディスクの容量を空けるためというユーザーが多い。一方で,前回見たように価格に対する要求も厳しいため,ディスク増設機能は安いレコーダーを買うときの“免罪符”になる可能性があるだろう。

 「家庭内のネットワークを使って家の中の様々なテレビで録画した番組を再生する機能」は「あった方が良い」と「どちらかというとあった方が良い」を足して半分を超えた。「ワンセグ携帯や携帯音楽プレーヤーなどに簡単にダビングする機能」は,両者を足して4割は超えたが半分には達しなかった。1台のレコーダーに録画したものを様々な端末で見るというニーズはあるが,ディスク増設などレコーダー自体の便利さが加わるものに比べると,高くない。

 一番不人気だったのが「インターネット上のサーバーに録画する機能」と「YouTubeなど,インターネット上の動画サービスの動画を録画する機能」といったインターネットと連携する機能だ。どちらも「ない方が良い」「どちらかというとない方が良い」といったネガティブな意見が,合わせて10%を超えている。Blu-ray DiscとHD DVDの雌雄が決したとき,「Blu-ray もネット配信の敗者になるのでは」といった意見も見られたが,少なくとも現状のユーザーにとっては,レコーダーに望んでいる機能とは言えない。

 調査の詳しい結果は特別調査報告書「次世代DVD/HDDレコーダーの購入意向・利用実態調査」にまとめており,併せてお読みいただけたら幸いである。

―― 終わり ――