JEITA新会長の庄山悦彦氏
JEITA新会長の庄山悦彦氏
[画像のクリックで拡大表示]

 電子情報技術産業協会(JEITA)は2008年度の役員を選任,日立製作所 取締役会長の庄山悦彦氏を会長,松下電器産業 代表取締役社長の大坪文雄氏を筆頭副会長とした。就任会見の席上で庄山氏は,地上デジタル放送などの著作権保護の新ルール「ダビング10」の運用が延期されたことについて,JEITA会長としての見解を述べた(Tech-On!関連記事)。

 庄山氏は「ダビング10問題に関して,機器メーカーはあくまで消費者の意見を代弁しているだけ」との立場を繰り返し強調。「(権利者団体などからの機器メーカー批判があるが)デジタル製品が今後も次々と投入されていく中で(現行制度のままで)消費者が本当に納得するのかどうか。権利者には(消費者の意向などを)できるだけ早くご理解いただきたい」と意見を述べた。北京五輪の開催が2カ月後に迫り,家電市場は夏商戦を迎えようとしているが「少し時間がかかっても(北京五輪に間に合わなくてもやむをえない)。中途半端な決め方をしたのでは,今度は我々メーカーに消費者の批判が集まる」とし,権利者側に対する妥協案の提示などはしない方針を示唆した。

「若いうちから,ものづくりの楽しさを」

 就任会見では,JEITAの2008年度の活動方針などが発表された。「2008年度のテーマは,国際競争力の強化。地球温暖化対策,税制/通商制度への要望,人材の育成に注力して競争力を高めたい」(庄山氏)。

 地球温暖化対策としては,グリーンIT推進協議会を通じた活動を中心に,洞爺湖サミットやCEATEC JAPANでの展示などを予定している。税制/通商制度への要望に関しては,国際租税制度や法人税率の適正化,FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)の推進を望むとした。人材育成については,「若いうちから,ものづくりの楽しさに触れてもらいたい」(庄山氏)との考えで,中高生を対象としたセミナーやものづくり教室などを実施していく。