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HOMEエレクトロニクス電子デバイス > ”真打”裏面照射CMOSセンサが実用に,OmniVisionが0.9μmピッチ品へ突進

”真打”裏面照射CMOSセンサが実用に,OmniVisionが0.9μmピッチ品へ突進

  • 大槻 智洋=日経エレクトロニクス
  • 2008/05/30 14:08
  • 1/1ページ
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 携帯電話機向け撮像素子で世界シェア3位の米OmniVision Technologies Inc.が,CMOSセンサの新製品で,その構造をガラリと変えた。いわゆる裏面照射(背面照射,BSI:backside illumination)技術を採用したのだ。

 裏面照射とは,光電変換前に光の損失を大きく抑える技術である。通常のCMOSセンサでは,光電変換を担うフォトダイオードの周りを配線層が取り囲んでおり,しかも配線層は3つほどもある。
 この結果,フォトダイオードはCMOSセンサ中の奥底に置かれてしまい,光がフォトダイオードになかなか直接入射しない。少しでも光を多く入射させるには,撮像素子に対して光を垂直に当てることが有効だが,そうするとレンズ・ユニットが長くなってしまう。

 「それなら配線層がない裏側から光を当てればいい」。こう考えて生み出されたのが裏面照射技術である。この技術を用いた撮像素子は学会で珍しくない。例えばソニーや近畿大学 教授の江藤剛治氏が発表している。それだけに撮像素子技術者の間では「限られた画素ピッチの中で本当に感度を高めたいなら,いつかは裏面照射」という認識があった。

アンダー1μm品の量産へ

 今回のOmniVision社の発表は,世界で初めて裏面照射品を大規模に量産することが新しい。同社は2008年4月2日に開催されたセミナー「イメージ・センサ 2008」で裏面照射技術を採用することを示唆していたが,今回は発売時期や大まかな構造などを明らかにした(ニュース・リリース)。

 最初に量産する裏面照射品の画素ピッチは,1.4μmと極めて狭い。このため,画素数が800万と多いにもかかわらず,カメラ・モジュールの大きさに直結する光学サイズは,携帯電話機用品種として標準的なまま。具体的には1/3.2型ほどとみられる。CMOS技術の世代は110nm。サンプル出荷の開始は,2008年6月下旬である。詳細な測定条件や測定結果,比較対象は未公表ながらOmniVision社は「1.4μm裏面照射品における画素性能は,1.75μm品を超えた」という。

 驚くべき狭ピッチ化計画も明かした。裏面照射品の画素ピッチを将来0.9μmとするという。1μmを切るCMOSセンサの市場投入を公表したのは,OmniVision社が初めて。他社は学会発表すら控えていた。顧客の要求する画質を満たすことが極めて難しかったためだ。OmniVision社が裏面照射品に現在,相当な自信を持っていることがうかがえる。

 裏面照射品の製造は,台湾TSMC社が担う。OmniVision社は,撮像素子業界の中では少ないファブレス企業である。今回の発表は,ファブレスであっても他に類を見ない構造のCMOSセンサを先行して発売できることを実証したともいえる。

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