Qualcomm社のBremner氏
Qualcomm社のBremner氏
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 米Qualcomm Inc.は,米Google Inc.が推進する携帯電話機向けプラットフォーム「Android」に向け,チップセットの対応を強化する方針を明らかにした。

 同社はこれまでに,ハイエンドの携帯電話機向けチップセットである「MSM7000シリーズ」を,Android利用の携帯端末向けとして,対応を進めてきた。今後さらにミドルレンジ向けのチップセットや,CDMA2000 1xEV-DO用チップセットなどでも,Linux対応を進めてAndroid端末で利用しやすいようにサポートしていく考えだ。

 2008年5月28日からQualcomm社が米国サンディエゴで開催中のイベント「BREW 2008」にあわせ,記者説明会で明らかにしたもの(ホームページ)。将来的には,さらに低コストの携帯電話機向けの1チップICなどにおいても,Androidプラットフォームへの対応を進めていく可能性があるという。

 Qualcomm社は,Open Handset Alliance(OHA)に参加するなど,Androidには早期から関わっている。Androidに期待する理由については,「現状のLinuxはとても細かく分化してしまい,プラットフォームとして統一される必要があった。Androidのような試みによって,それが集約されて扱いやすくなると期待している」(Qualcomm CDMA Technologies,Multimedia Product Management,Senior DirectorのJason Bremner氏)としている。

 Androidに対応するチップとして端末メーカー向けに供給しているのは,デュアルコア構成のUMTS向けチップセット「MSM7201A」や,7.2Mビット/秒のHSDPAに対応した「MSM7225」など。このうちMSM7225は,200米ドル以下のスマートフォンに向けたチップセットである。Androidプラットフォームに向けたチップセットでは,米Texas Instruments社なども対応を進めている。Qualcomm社は,こうした競合メーカーへの差異化点として,「当初からGoogle社と密接に連携しながらチップセットの対応を進めたこと」などを挙げている。