Microsoft社,President,Entertainment & Devices DivisionのRobbie Bach氏
Microsoft社,President,Entertainment & Devices DivisionのRobbie Bach氏
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同社, Senior Vice President, Mobile Communications BusinessのAndrew Lees氏
同社, Senior Vice President, Mobile Communications BusinessのAndrew Lees氏
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今後のモバイル・ソフトウエア・プラットフォームの競争における,Microsoft社が扱う資産。Robbie Bach氏のプレゼン資料から抜粋
今後のモバイル・ソフトウエア・プラットフォームの競争における,Microsoft社が扱う資産。Robbie Bach氏のプレゼン資料から抜粋
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 「携帯電話機の市場は変革期に向かっていると感じている。1990年時代のパソコン市場と同様だ。コンピューターや通信,テレビなど各種の業界が携帯電話機に関わってきている」。

 米Microsoft Corp.,Senior Vice President, Mobile Communications BusinessのAndrew Lees氏は報道機関向けのイベントで,高機能携帯電話機のソフトウエア・プラットフォームの競争状態を説明した。米Apple Inc.のiPhoneや米Google Inc.の「Android」OSが注目を集めるなか,Microsoft社はWindows Mobile」ソフトウエア製品やオンライン・サービス「Windows Live」をアピールするため,欧州及びアジア系の報道機関を米国本社を集めた。

 同社,President,Entertainment & Devices DivisionのRobbie Bach氏は,高機能携帯電話機市場はMicrosoft社にとって重要な存在であることをこのように説明した。「2008年には約1億から2億の高機能携帯電話機が出荷される。多くの人々にとって,こうした携帯電話機はインターネット情報を収集するためのメインの端末になる。我々にとってこの市場でリーダになることは重要である」(同氏)。同社は,2009年末までに高機能携帯電話機が第1世代のXbox製品と同じ処理能力を持つと予測している。

Microsoft社のモバイル市場戦略の5つのポイント

 Microsoft社は2008年4月に,Windows Mobileの最新バージョンの同6.1を公開した(Tech-On!関連記事)。同社はWindows Mobileのバージョン7.0を開発中と認めているが,今回のイベントではこの製品に対する具体的な情報を公開しなかった。その代わりとして,携帯端末市場に対する今後の戦略を発表した。

 同社の戦略を大きく5つのテーマに分けられる。1)携帯電話機市場は多数の機種を要求するので,携帯電話機メーカーや携帯電話事業者と密接な関係を維持しながら製品の開発を行う。2)ソフトウエアやサービス,携帯端末上のアプリケーション開発者に開発環境を提供する。3)今後はこれまでのビジネス向けのみならず,消費者向けの市場にも注目する。エンターティンメントやSNS(social networking service)といったサービスが核となる。Bach氏は,同社による携帯端末ソフトウエア製造者米Danger社の買収(Tech-On!関連記事)や携帯型音楽プレーヤー「Zune」(Tech-On!関連記事)に関する動向を指摘した。Zuneを利用する例として,Bach氏は「(ユーザーの音楽の趣味情報などを交換するWebサイト)Zune Social(同Webサイト)に参加するため特定のハードウエアは必要ない」と指摘した。

 さらに,4)携帯端末におけるユーザーの体験に特に注目する。このため,民族誌や他のユーザー研究手法を採用しながら,工業デザインに力を入れる。5)パソコンと携帯電話機の連携を今こそ強調する。「10億台以上のパソコンが既に市場に存在するし,毎年約3億台が出荷されている。我々はパソコンとWebと携帯電話機を連携してユーザーに一つの体験を実現し,彼らが欲する情報にどこでもアクセスできることを望んでいる」(Lees氏)。