既存事業とのシナジー効果で新たな事業機会を狙う

インドの太陽電池メーカーの中でも,今最も注目を集めているのがMoser Baerグループだ。光ディスク・メーカーながら太陽電池事業に進出した。その狙いなどを聞いた。

―光ディスク・メーカーでありながら,太陽電池事業に進出した理由を教えてください。


インドMoser Baer India Ltd.Executive Director
Ratul Puri 氏

 光ディスク事業は,安定したビジネスとなっています。そこで,新規事業として,太陽電池事業とエンターテインメント事業に進出しました。どちらも,光ディスク事業とのシナジー効果が期待できます。太陽電池には,光ディスク事業で培った製造技術を利用できます。

―太陽電池で習得した技術を生かして,FPDやLSIなどの新規事業を目指すことはありますか。

 太陽電池の薄膜技術はFPDの製造に生かすことができます。FPDテレビのインドでの普及はこれからのため,事業機会も多いでしょう。しかし非常にタフなビジネスなので,興味を持って見てはいますが,何も決定していません。LSIも同様です。今後インドで大きな市場になると思いますが,まだわれわれには難しいでしょう。まずは,太陽電池で世界のリーディング・プレーヤになることを目指します。

―インドで電子デバイスを製造する利点は何ですか。

 製造コストが安い点が最大の強みでしょう。労働者の賃金や電力料金などは,世界の工場となった中国とほぼ変わりません。確かに電力や道路,空港,港などのインフラは不足しています。しかし,今後急速に整備が進む予定ですので心配はいりません。(聞き手は,河合 基伸)

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