米ABI Research社は,RFIDタグ(無線タグ)市場の売上高が2013年までに約97億米ドルに達するとの見通しを発表した(発表資料)。この予測が実現すれば,2008年からの年平均成長率は15%となる。2007年の無線タグ市場は好調に推移し,2008年第1四半期も好調を維持している。無線タグ市場においては,あらゆる用途や特徴の製品において,引き続き成長が期待できるとABI Research社は予測する。

 市場が好調な背景には,無線タグ利用者の長期的な契約や投資があるとABI Research社は説明する。特にUHF帯のパッシブ型タグにはこの傾向が強いという。航空機メーカーである仏Airbus S.A.S.は最近,多くのプロジェクトにおけるサプライ・チェーンの業務や組み立て業務において,無線タグを使用することを発表した。加えて,会員制小売業を手掛けるSam's West, Inc.(Sam's Club)は,同社が販売する商品を納入するメーカーに無線タグを付けることを義務付けた。欧州やアジアにおいても,小売業を手掛けるドイツMetro AGがサプライ・チェーンで無線タグを使用することに興味を持っているという。

 今後はヘルスケア事業や資産管理のための輸送業,製品レベルでタグを使用するアパレル業などにおいて,無線タグの需要が増えると米ABI Research社は予測する。図書館やレンタル業,仕掛品の管理,容器の再利用および返却システムなどは中心的な用途であるという。