日本HP パーソナルシステムズ事業統括 取締役 副社長 執行役員の岡隆史氏
日本HP パーソナルシステムズ事業統括 取締役 副社長 執行役員の岡隆史氏
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モデルを使って利用シーンをショウ形式で披露
モデルを使って利用シーンをショウ形式で披露
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好みのデザイン・スキンを張り付けることもできる
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が2008年5月21日に発表した「HP 2133 Mini-Note PC(HP Mini)」の発表により,「新しい市場を創出したい」(パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 プロダクトマネージャの菊池友仁氏)と力強く語った。

 米Hewlett-Packard Co.は現在,6四半期連続でパソコンの出荷台数トップをとり続けている。「2008年4~6月期だけで5000万台を販売した。これは,日本国内全体の年間パソコン出荷台数の3.5倍に当たる」(パーソナルシステムズ事業統括 取締役 副社長 執行役員の岡隆史氏)。

 日本市場ではまだシェア5位に過ぎないが,前年比16.4%増と急速に売り上げを伸ばしている。「日本国内の市場がほぼ横ばいのなか,これだけの伸びを確保できた。現在パソコン市場の核である企業向けパソコンに加え,ブレードPCやシンクライアントなどの新しいソリューション,それにコンシューマ向けを3本柱として事業の拡大を図る」(岡氏)。

 その尖兵となるのがHP Miniだという。「世界で販売することにより,低価格化した。単に軽くて小さいパソコンはこれまでにもあったが,さらに低価格化を果たした。軽くて小さく,低価格なパソコンを一つの製品カテゴリとして育てていきたい」(岡氏)。先行発売した北米やアジアでの受注台数は,「ほぼ30万台くらい」(岡氏)。

新しいライフスタイルの創出を目指す
 発表会ではショウ形式で,ビジネスやプライベートでも「いつも手にする」機器としての利用をアピールした。モデルを使い,「大手町午前9時」「汐留午前11時」など場所と時間を想定した利用シーンでビジネス・バッグやショルダー・バッグに入れて持ち運べる姿を示した。

 特に強調していたのが,セカンド・マシンではなく,ファースト・マシンでも使える仕様を目指したこと。「これまでの小型・軽量パソコンは,セカンド・マシンとして使うことを前提としていた。性能や価格などで,何かを我慢しなければならなかった。HP Miniは,普通の鞄に入るサイズで,20万円を払う必要がない」(菊池氏)。

 ただしOSにWindows Vista,マイクロプロセサにVIA Technologies社の「C7-M」を使っている点は,“ファースト・マシンとして使える仕様”からすると少々物足りない印象がある。Windows Vistaの機能性を優先したためだが,実質的な利用方法としてはWindows XPでも十分だろう。事実米国ではWindows XP版やLinux版も販売している。日本国内での発売に関しては「今後検討する」(菊池氏)とコメントするにとどまった。また「上位モデルであればWindows XP Professionalへのダウングレードが可能。ダウングレード用のCD-ROMも提供する。デバイス・ドライバも無償配布するので,知識のあるユーザーであればWindows XPへ入れ替えることは可能」(菊池氏)と説明した。