米Googleは米国時間2008年5月19日,オンライン医療情報管理サービス「Google Health」のベータ版を公開した。同社Search & User Products部門担当副社長のMarissa Mayer氏が,同社の公式ブログへの投稿で明らかにした。ユーザーは自分の医療情報をオンラインで収集,保存,管理できる。利用は無料だが,現時点で同サービスを利用できるのは米国のみ。

 Google Healthでは,病院や処方薬局などと連携可能なプラットフォームを採用し,カルテ,処方履歴,検査結果といったデータを自動的に取り込めるようにしている。データはオンラインで管理するため,ユーザーはセカンド・オピニオンが必要な場合や,転院するときなども,自分の医療記録に容易にアクセスし,他の病院と共有できる。

 データにアクセスできるのは,デフォルトでユーザーのみに限定されており,ユーザーが許可しない限り,第三者は閲覧できない。またデータの削除は,本人の意志でいつでも自由に行える。

 同社は2008年2月より,米国クリーブランド州の医療機関Cleveland Clinicと共同でパイロット・プロジェクトを行い,Google Healthを試験的に運用していた(関連記事:Google,Webで医療情報を管理できる「Google Health」の詳細を発表)。CNET News.comの報道によると,今回のベータ版公開にあたり,Cleveland Clinicのほか,マサチューセッツ州のBeth Israel Deaconess Medical Center,処方薬局の米Longs Drugsや米Walgreens,検査結果の管理を行う米Quest Diagnostics,医師4万人以上のカルテを管理する米AllScriptsなどの協力を取り付けている。

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