他のユーザーが推奨した番組を一覧表示
他のユーザーが推奨した番組を一覧表示 (画像のクリックで拡大)

 たまたま見た番組やシーン,CMが面白かったら紙飛行機の絵が描かれたボタンを押して,「おもしろい・おかしい」といったコメントを選んで送信するだけです。「エビちゃんの新しいCM見た?」とか,「この芸人のネタですごく笑ったよ」とか、そんな感じで送っておくわけです。家族や友人から推奨された番組は一覧表示できるため,そこにカーソルを合わせてボタンを押すと、そのシーンがすぐに再生されます。

籠屋氏 知らないタレント名などを番組情報の中で見つけたら,ワンタッチでWikipediaを調べて,テキスト情報を表示する機能を付けています。将来的には動画投稿サイトと連携するような機能も考えたいですね。インターネットの世界とテレビの世界をシームレスにつなぐような使い方をこれまでもずっと考えてきましたし。

ハードは“高性能パソコン+α”

——SPIDER PROの中身はパソコンなんですか。

籠屋氏 そうです。SPIDER PROのハードウエアは基本的にパソコンです。アナログ・テレビ放送を録画する拡張ボードを複数枚使って,大容量のHDDに番組を録画し続ける構成を採っています。上位機種はHDDを全部で4台搭載しています。容量は合計2.5Tバイト。HDDのうち3台が自動録画用で,1台はユーザーが保存しておきたい番組を蓄積するために使っています。

PTP 取締役の籠屋健氏
PTP 取締役の籠屋健氏 (画像のクリックで拡大)

——ソフトウエアの構成は?

籠屋氏 OSはLinuxです。Linux上のアプリケーションとして録画やユーザー・インタフェース(UI)のソフトウエアを実行しています。UIソフトウエアは弊社ですべて開発しています。

——見たところUIはかなり軽快ですね。

籠屋氏 UI用のプログラムのほとんどは,C++言語でゴリゴリ書いてます。WebブラウザーやUI実行環境などのミドルウエアは使っていません。反応速度がどうしても遅くなるので,ユーザーの快適さを削ぐからです。

——今後の計画を教えてください。

有吉氏 ごくごく近いうちに,個人ユーザー向けのSPIDER PROを限定的に発売したいと思っています。価格は40万円は超えないようにしたい。地上アナログ放送だけの対応になるし,販売地域は東京都限定。これを理解した上で購入してくれる個人ユーザーに向けます。

 SPIDER PROの全機能は今のところ東京地区でしか使えません。番組情報を収集する体制やサポートの体制を整える必要があるからです。ただ,近いうちに大阪地区でも全機能を使えるようにする対応する予定で現在,準備を進めているところです。

 今の悩みの種は地上デジタル放送対応です。必ず対応しますが,現時点の予定は決まっていません。「ダビング10」などの議論が早く落ち着くことを願っています。デジタル放送対応のチューナー・ボードが安価に入手できるようになるといいんですけどね。

(終わり)

前編はこちら