米Clearwire Corp.,米Sprint Nextel Corp.,米Intel Corp.,米Google Inc.,米Comcast Corp.,米Time Warner Cable Inc.および米Bright House Networks Corp.などは2008年5月7日,モバイルWiMAXサービスの全米規模の事業化を進める合弁会社の設立で合意したと発表した。Sprint Nextel社とClearwire社は2007年11月に一度,WiMAX事業での協力関係を解消しているが,今回は仲間を増やして再び協業することになった(関連記事)。

 新会社の名前は「Clearwire」となり,元のClearwire社にSprint Nextel社のモバイルWiMAX事業部門「XOHM Business Unit」が吸収合併される格好である。ただし,全株式の51%分をSprint社が負担し,役員13名のうち7名は同社からの派遣となる。

 新会社の株式を1株20米ドルで評価すると全株式の総額は約145億米ドル(約1.5兆円)になる。その内訳は,Sprint社からの寄与が2.5GHz帯の周波数の価値を含めて74億米ドル。一方,現行のClearwire社の株主は同27%を握ることになる。残る22%の株式は,Intel社など5社による32億米ドルの出資を元にするという。

 5社の出資額の詳細は,Comcast社が10.5億米ドル,Intel Capital社が従来のClearwire社への投資とは別に10億米ドル,Time Warner Cable社が5.5億米ドル,Google社が5億米ドル,ケーブルテレビ統括事業者のBright House Networks社が1億米ドル,投資会社のTrilogy Equity Partnersが1000万米ドル,となっている。

 新生Clearwire社は,モバイルWiMAXのサービス・インフラの人口カバー率を2010年末までに全米の1.2億~1.4億人にまで広げる計画。Sprint社はこの新会社に向けて,モバイルWiMAX向け周波数のほか,モバイルWiMAXに関して同社が保有していたIPや商標,ソフトウエア技術,および無線端末や基地局などを提供するという。