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HOMEクルマ > 車載半導体の開発に潜む弊害(第1回)

車載半導体の開発に潜む弊害(第1回)

日経エレクトロニクス2007年12月3日号より

  • 2008/05/20 20:00
  • 1/3ページ
容易ではない自動車産業と半導体の協業 目次-産業構造が変わる
日経エレクトロニクス2007年12月3日号,PP.105-109から転載しました。所属,肩書き,企業名などは当時のものです。

現在,自動車への半導体の搭載が急速に進行している。車載半導体は,自動車産業と半導体産業という二つの異なる産業分野の融合により誕生したため,開発を進める際にさまざまな問題が生じている。本稿では,車載半導体への自動車産業と半導体産業の取り組みや,実際に開発にかかわる技術者へのインタビューなどを通じて産業文化の差異を明らかにする。(佐伯 真也=本誌)

 技術が発展する過程において,その技術の母体となる産業分野や企業の枠組みを超えた新たな産業や製品が生み出されている。例えば,通信と小売りの融合からカード機能内蔵の携帯電話機が,薬品と医療機器の融合から送薬カテーテルが誕生している。

 既存産業の枠組みを超えて連携することは重要であると同時に,容易ではないのも事実である。「通信」と「放送」の融合については,互いに必要性は認識しながらも協業の難しさを端的に表している。このような問題は日本の2大基幹産業である自動車産業と半導体産業が融合する車載半導体にも生じている注1~2)。将来にわたって国際競争力を維持していくためには,産業間の緊密な協力が欠かせない。

 現状では自動車産業と半導体産業は共に世界トップ・レベルの技術競争力を有しているが,産業間を超えた協業体制が効果的に構築されていないようにみえる。

注1) ここでは,車載半導体を使用する側の自動車メーカーおよび自動車メーカーと密接な関係にある電装品メーカーを合わせて狭義の意味で「自動車産業」とし,車載半導体を自動車メーカーあるいは電装品メーカーに供給する半導体メーカーを,狭義の意味で「半導体産業」と定義する。

注2) 本研究は,国内外の自動車メーカーや半導体メーカーにおいて,電装領域や車載半導体の事業責任者をはじめとする主要人物31人に対し,2006年9月~2007年2月の6カ月間に集中して実施したインタビュー調査の結果に基づく。今回の調査について特筆すべき点が二つある。第1に,短期間に集中した調査結果に基づいているため,ビジネス状況の変化など時間軸に対する影響がほぼ排除できている。第2に,インタビューの中には,電機メーカー出身で現在は自動車メーカーに従事している技術者や,自動車メーカー出身で現在は半導体メーカーに従事している技術者を含む。このため,両産業を相対化した内容が盛り込まれているといえる。

自動車はエレクトロニクスの固まりに

 現在,自動車に向けて電子機器や電子部品などのカー・エレクトロニクスの搭載が急速に進んでいる(図1)。かつて,ほとんどの車両に用いられてきた手動式,油圧式,ベルト式の機構部品はエレクトロニクス技術に置き換えられている。さらに,エアバッグやカーナビなど,エレクトロニクスでのみ実現できる機能も増えた。画像処理を用いた走行制御や駐車支援などの機能の搭載も進んでおり,ハードウエアやソフトウエアの開発が複雑化している。

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