図1 三菱自動車 代表取締役社長の益子修氏
図1 三菱自動車 代表取締役社長の益子修氏
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 三菱自動車の2007年度(2007年4月~2008年3月)決算は,売上高が前年度比22%増の2兆6821億円,営業利益は同170%増の1086億円と増収増益だった。営業利益は過去最高で,利益率の高い車種の割合が増加したことによる543億円分の増収効果や,為替が年度平均でみれば期初の想定より円安だったことによる146億円分の増収効果となったことが寄与した。三菱自動車 代表取締役社長の益子修氏は「ようやく黒字体質になってきた」と感想を述べた。

 グローバル販売台数は前年度比10%増の135万9000台であった。地域別にみると,日本では同11%減の219万台となった。内訳をみると,登録車が同11%増の84万台だったが,軽自動車が同21%減の135万台だった。ただし,「利益率の高い登録車の販売を強化した結果でもある」(益子氏)。北米では,前年度比5%増の17万2000台となった。上期に「アウトランダー」や「ランサー」などの販売が好調に推移したことで,サブプライム・ローン問題による影響で悪化した下期の減少分を補えた。欧州は前年度比21%増の34万1000台となった。特にロシアにおける販売が好調だった。

 2007年度は,2005年に発表した同社の再建計画における最終年度であった。益子氏は「計画策定当初は本当に再生できるのかというところからスタートした。2007年度,数字の上では再生できてほっとしている。ただし,あくまでも通過点。外部環境は厳しいが,着実に成長していきたい」と語った。

 2008年度の業績見通しとして,売上高が今年度比1%減の2兆6500億円,営業利益は同45%減の600億円の減収減益を見込む。特に,円高によって650億円分の減収効果を予想する。同社の想定する2008年度の為替は1米ドル=100円で,2007年度は1米ドル=115円であった。

≪訂正≫ 記事掲載当初,「営業利益は同270%増」と記載しておりましたが,正しくは「営業利益は同170%増」です。お詫びして訂正します。記事本文は既に訂正済みです。