国内出荷実績を発表するJEITAパーソナルコンピュータ事業委員会委員長の中尾健治氏
国内出荷実績を発表するJEITAパーソナルコンピュータ事業委員会委員長の中尾健治氏 (画像のクリックで拡大)

 電子情報技術産業協会(JEITA)は,2007年度のパソコンの国内出荷実績を発表した。出荷台数は930万1000台で,出荷金額は1兆1346億円だった。JEITAは2007年の出荷について,2007年度の統計参加企業が2006年度から減少したため,前年度との単純な比較はできないが,「2007年度の推移を見る限り,前年度と同水準か若干上回ったのではないかという認識を持っている」と説明した。上半期は,米Microsoft Corp.の新OS「Windows Vista」を搭載する機種が出揃ったことで一般消費者の需要が伸び,下半期は企業向けの需要が回復基調になったという。なお,2007年度に統計から抜けた企業は,東芝パソコンシステム,日本ヒューレット・パッカード,デルの3社である。

 種類別出荷台数を見ると,ノート・パソコンは603万5000台で,デスクトップ・パソコンは326万6000台。出荷全体に占めるノート・パソコンの割合は64.9%だった。ノート・パソコンの基本性能の向上と低価格化によって,2007年度はノート・パソコンの構成比が高まったとする。種類別の出荷金額を見ると,ノート・パソコンが7533億円,デスクトップ・パソコンが3813億円だった。

 2008年3月の出荷実績を見ると,出荷台数は121万3000台。企業向けの年度末需要が後押しして,1カ月当たりの出荷台数では2007年度最高となった。ノート・パソコンの割合は69.1%で,過去最高の構成比だった。

2007年度の出荷台数の推移
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 地上デジタル放送用チューナー内蔵パソコンの2007年度の出荷台数は39万台。ワンセグ用チューナ内蔵パソコンの出荷台数は6万2000台だった。地上デジタル放送用チューナー内蔵パソコンの累計出荷台数は,2008年2月に100万台を突破し,2007年度末には104万7000台に達した。ワンセグ用チューナー内蔵パソコンを含めた2007年度末の累計出荷台数は120万4000台である。

 2008年度の出荷台数は,対前年比4%増の970万台となる見通し。企業向けパソコンは,買い替え需要が堅調に伸びるとみる。また,Windows Vista搭載機種も,検証の段階から導入の段階に移行するという。一般消費者向けの市場では,Windows Vista搭載機種への買い替え需要や高性能機種のニーズの高まりによって,出荷が堅調に増加する見通し。さらに,ノート・パソコンやいわゆる「ウルトラモバイル」パソコンの新規需要も拡大すると予測する。