米Texas Instruments Inc.(TI)の2008年1月~3月期決算は2ケタの増益になった(発表資料)。売上高は前年同期比3%増の32億7200万米ドル,営業利益は同19%増の8億700万米ドル,純利益は同28%増の6億6200万米ドルである。高付加価値のアナログ製品の販売が好調だったという。ただし,携帯電話機向けDSPなどの売り上げが低調で,直前期に比べると減収減益になった。

 アナログ製品の売上高は前年同期比6%増の13億2000万米ドルだった。同社が高付加価値品と位置づける製品群に限れば,20%の増収になったとする。ただし,直前四半期に比べるとアナログ製品全体の売り上げは4%減,高付加価値品がほぼ同等という状況である。直前期比の減収についてTI社は,HDDと携帯電話機向け需要が低迷したと説明する。

 DSP製品の売上高は前年同期比3%減,直前期比18%減の11億2000万米ドルだった。これも携帯電話機向け需要の減退によるという。

 2008年4月~6月期の全社の売上高は32億4000万~35億米ドル,1株当たり利益は0.42~0.48米ドルを見込む。前年同期の売上高は34億2400万米ドル,1株当たり利益は0.42米ドルだった。chairman, president and CEOのRich Templeton氏は「直近の経済状況が不透明なので4月~6月期の業績予想は保守的なものになったが,長期的な見通しは明るい」とした。