A-VSB対応放送を受信しているSamsung社製端末の試作機。同社の携帯電話機「SGH-P930」をベースにしている。
A-VSB対応放送を受信しているSamsung社製端末の試作機。同社の携帯電話機「SGH-P930」をベースにしている。
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A-VSBのデモの概要
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 米国向けのモバイル放送規格「A-VSB(advanced VSB」(Tech-On!関連記事)を手掛ける団体A-VSB Initiativeは,「2008 NAB Show(NAB)」で,A-VSB技術を採用したシステムのデモを展示した。

米国デジタル・テレビ放送規格ATSCを手掛ける団体Advanced Television Systems Committeeは現在,米国市場向けのモバイル放送標準「ATSC Mobile/Handheld(ATSC M/H)」の策定を進めている。韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が開発したA-VSBは,ATSC M/Hとして採用するために評価中の規格の一つである。「我々は,こうしたシステムのデモを通じて,現在でもサービスを実現できる技術を保有することを示した。このことは,ATSCが我々の技術を規格として採用することにつながると思う」(Samsung Electronics社,Vice President of Government and Public AffairsのJohn Godfrey氏)としている。

 NABで展示したデモは,ラスベガスの地元放送局にA-VSB対応の機器に配備し,Samsung社製の第3世代の受信LSIを搭載した携帯端末でA-VSB対応放送を受信した。Samsung社によると,同社が開発したA-VSB対応受信LSIは「当初の目標よりも消費電力がまだ高い」としているが,この問題は今後解決されると自信を示している。