【SAE】Scuderi Group,回生エネルギーを圧縮空気として蓄積,再利用する「ハイブリッド・エンジン」を提案
米Scuderi Group, LLCは「SAE2008 World Congress」(4月14日〜17日開催)に展示ブースを出展した。同社はエンジンに圧縮空気を供給する専用シリンダを配したエンジンを開発している(図1)。
開発中のエンジンは「Split-Cycle Engine」と呼ばれ,古くから開発の歴史があるという。
通常のシリンダ(Power Cyinder)の隣りに圧縮空気を供給するシリンダ(Compression Cylinder)を配置し,この圧縮空気をPower Cyinderに供給することで,燃費向上とNOx削減が実現できるという(図2)。いわゆる,スーパーチャージャをエンジンと同じシリンダの形で実現したものといえる。
ただ,このSplit-Cycle Engineにはこれまで,Compression Cylinderに残った高圧の空気が吸気口を塞いで吸気量が稼げないという問題や,エンジンの熱効率が従来のエンジンよりも低いという問題があったという。吸気量の問題については,通常の上下に開閉するバルブではなく,シリンダ上面で回転するディスクバルブを開発した。このディスクバルブは一つで吸気と排気の両方を操作でき,これにより吸気口を塞ぐ高圧空気を取り除き,吸気量を増すことができた。一方,熱効率については,ピストンが上死点になった後(ATDC)で点火する方式を採用することで解決できるという。
同社では,Split-Cycle Engineをより発展させた「Air-Hybrid Engine」を開発中である(図3,4,5)。このエンジンは,Compression CylinderとPower Cyinderの間に高圧タンクを介し,減速時に発生する回生エネルギーを圧縮空気として高圧タンクに貯蔵することができる。高圧タンクが満充填になれば,Compression Cylinderのバルブを閉じてポンピング・ロスを減少させ,Power Cyinderには高圧タンクから圧縮空気を供給することで,高効率なエンジン駆動が可能としている。
Scuderi Groupによれば,ガソリン・エンジンにもディーゼル・エンジンにも展開可能で,従来のエンジンに比べて燃費を25〜50%向上できる上,NOxを最大80%削減できるとしている。しかも,エンジン技術を使うだけで回生エネルギーを回収できることから,モータと電池を搭載するハイブリッド車に比べてコストを大幅に削減可能とみている。
ただし,現段階は,2008年4月にバルブ部分を組み立てたユニットの試験を始めたところで,2008年秋ごろに試作エンジンの評価を開始する予定。なお,同社は2008年2月にドイツBosch Engineering社と試作エンジンの開発で協力関係を結んでいる。



















