2007年,米国特許法は大きな転換期を迎えた。4月には特許法の改正案が米国議会に提出され,最高裁では重要な特許係争に相次いで判決が下った。2008年は停滞気味だった改正への動きが4月に入って活発化しはじめた。本連載では,改正に向けた動きの現在と,注目の特許係争事例を紹介する。

◆著者紹介◆
 筆者は,米国ワシントンD.C.弁護士,前川有希子(まえかわゆきこ)。日立製作所中央研究所で研究者として医用画像機器の研究開発に従事し,博士号を取得した後,米国に移住した。2002年にPatentAgent,2005年にワシントンD.C.弁護士の資格を取得。米国大手法律事務所を経て、現在Terra Nova Patent Law, PLLC にて,主に,特許/商標権取得業務,オピニオン(知的所有権に関する有効無効性や侵害に関するアドバイス)ならびにデュー・ディリジェンス(知的所有権,ライセンス,共同研究契約に関する様々な調査)を担当している。

◆目次◆
第1回:米特許法改正案,損害賠償額の算定方法などに反対多数

第2回:特許申請の効率化めざした新ルール,永久差し止めに

第3回:Quanta v. LGE---特許権消尽の範囲はどこまで

第4回:ビジネス・メソッドの特許性,いよいよ再考

※この連載は一般情報を提供することを目的としており,特定の事例に対する特定の法的アドバイスを行うためのものではありません。



【過去の連載】
前川有希子が斬る!変わりゆく米国特許事情(2007年6月~7月)