大日本印刷と台湾Unimicron Technology Corp.は,プリント基板の製造および販売を手掛ける合弁会社「UD Alliance Technology Limited」を2008年6月下旬に設立すると発表した(発表資料)。UD Alliance Technology社の資本金は4000万香港ドル(2008年4月時点で約5.1億円)。Unimicron Technology社が66.5%,大日本印刷が33.5%出資する。本社所在地は香港である。

 両社は,携帯電話機の高機能化による高機能・高密度なプリント基板の需要拡大を受けて,UD Alliance Technology社の設立を決めた。現在,携帯電話機の製造は中国などのアジア地域で行われていることが多く,プリント基板メーカーは,顧客である携帯電話機メーカーの工場により近い立地で,需要に応えることが求められているという。

 UD Alliance Technology社は,大日本印刷の開発したビルドアップ基板の製造技術「B2it(ビー・スクエア・イット)」の特許のライセンスを受け,B2itを用いたプリント基板の製造や販売を行う。製造は,中国にあるUnimicron Technology社の昆山工場に委託する。製造した製品は,当面,大日本印刷とUnimicron Technology社に販売する。

 B2it技術では,スクリーン印刷で形成したバンプで層間接続(ビア接続)を行う。コア基板が不要であるため基板の薄型化が図れることや,スルーホールがないため部品を実装できる領域が広く,設計の自由度が高いことなどの特徴を持っている。

 今回のUD Alliance Technology社設立によって,大日本印刷はB2it技術を用いたプリント基板の事業拡大や,B2it技術の世界標準化を目指す。一方,Unimicron Technology社はB2it技術を取り入れることにより,高機能・高密度なプリント基板の生産体制を強化し,量産によるコスト削減を図るとする。

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