放送業界は2008年4月7日、パソコンに外付けするタイプの地上/BS/CSデジタルチューナーの単体発売を解禁することを決定した。複数のパソコン業界関係者が日経パソコンの取材に対して明らかにした。今回の決定を受けパソコン周辺機器メーカー各社は、開発中の製品の情報を数日中に発表する。早ければ4月下旬~5月にも単体外付けチューナーが店頭に並ぶ見通し。

 放送業界関係者の会合において、「PC用デジタル放送チューナのガイドライン」を正式に策定した。この中で、単体チューナーの仕様について初めて規定を設けた。一般に地上/BS/CSデジタル放送の受信機を市販するには、デジタル放送の暗号を解除するためのB-CASカードが必要。パソコン周辺機器メーカー各社は同ガイドラインに沿って単体チューナーを開発することで、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)からB-CASカードの支給を受け、単体チューナーを発売できるようになる。

 アイ・オー・データ機器、エスケイネット、バッファロー、ピクセラなどパソコン周辺機器メーカー各社は、既に単体チューナーの開発をほぼ完了。ガイドラインの策定を待って仕様を最終決定し、製造に入る準備を整えていた。今回、ガイドラインが策定されたことで、「単体チューナーの量産ラインを動かすことを決定した」(大手パソコン周辺機器メーカー)など、量産出荷に向け各社とも一斉に始動した。

 今後、単体チューナーの発売時期を決定する要素は、B-CASカードの発行にかかる時間がどの程度かに絞られる。メーカー各社の想定によると、単体チューナーの発売時期は早ければ4月下旬~5月になりそうだ。また、既に複数のメーカーが、おおよその価格帯を含めた説明を小売店に向けて始めており、北京五輪商戦に向けて店頭での大々的な販促活動を計画している。今後はパソコン用外付け単体チューナーという新ジャンルの市場開拓に向け、各社の先陣争いが熱を帯びそうだ。

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