東京工業大学大学院の材料系グローバルCOE(G-COE)は4月4日,アジア太平洋地域で活動する材料科学系研究者の最新の研究成果を発信するWebサイトジャーナル「NPG Asia Material」を創刊した,と発表した。言語は英語で,第一段階として,材料科学系の最新注目論文などの要約(ハイライト)を3月24日より発信し始めた。

 同Webサイトジャーナルは,東工大大学院の材料系専攻が2007年10月から運営し始めたG-COE「材料イノベーションのための教育研究拠点」が,科学雑誌『Nature』で有名な英国の出版社Nature Publishing Group(NPG)のNature Asia-Pacific部門と共同で運営する。同教育研究拠点は,文部科学省のグローバルCOE(Global Center of Excellence)プログラムに基づいて運営され,その活動の一環として創刊したものだ。

 同教育研究拠点のリーダーを務める竹添秀男教授によると,編集体制としてはアジア太平洋地域の大学や公的研究機関に所属する,教員・研究者約50人が主要な材料系ジャーナルに掲載された,最新の注目論文を一人当たり2編ずつ編集コミッティーに推薦する。この中から,編集コミッティーは優れた注目論文を選び出し,毎月同ジャーナルでその概要をハイライトとして紹介する。このハイライトの原稿は,Natture Publishing Groupのサイエンスライター数人が書く。

 例えば3月24日発行のジャーナルには,「Advanced Matatrials」誌に掲載された韓国Korea Advanced Institute of Science and TcehnologyのJaeyun Kim氏などの研究グループが書いた論文のハイライトを「Small but deadly versatle」として紹介している。掲載論文の大部分は,ナノテクノロジー系の材料の研究成果になるという。

 竹添教授によると,今回のWebサイトジャーナルの創刊は第一段階であり,最終段階では,独自の投稿論文を掲載する計画と説明する。今後,アジア太平洋地域の材料科学系教員・研究者の優れた研究成果を全世界に発信する,権威あるジャーナルに育てる計画だという。