日立情報システムズが小笠原村に導入した総合行政システムのネットワーク構成図
日立情報システムズが小笠原村に導入した総合行政システムのネットワーク構成図
[画像のクリックで拡大表示]
小笠原村役場に設置した衛星通信用アンテナ
小笠原村役場に設置した衛星通信用アンテナ
[画像のクリックで拡大表示]

 日立情報システムズは,同社のアウトソーシング型の総合行政システム「e-ADWORLD(イーアドワールド)」を,衛星回線を利用する形で東京都小笠原村に導入し,4月1日に稼働を開始した(発表資料)。自治体の行政システムのアウトソーシング・サービスを衛星回線を利用して運用・サポートしている事例は「国内初」(同社)という。

 日立情報のデータ・センターに設置したブレード・サーバーを専用で貸し出す「ブレード専有型ホスティングサービス」と,自治体向け行政システム「e-ADWORLD」を組み合わせたサービスを導入した。小笠原村とデータ・センター間のネットワークとして,日立情報の衛星通信サービス「NETFORWARD/ST」を利用する。衛星回線はJSATの衛星ブロードバンド・サービス「SPACE IP」を使う。データ伝送速度は下りが最大5Mビット/秒,上りが最大1Mビット/秒である。

 サーバーは都内のデータ・センターで運用しているため,法改正などに伴うシステム改変や保守などに迅速に対応できる。台風・地震などの自然災害に対する安全性も確保したとする。シン・クライアントを採用し,小笠原村の複数の職員が使用するパソコンを一元的に管理して,情報漏洩防止などへの対策を講じた。加えて,衛星回線を利用したTV会議システムも導入し,遠隔サポート体制を整備した。

 小笠原村は首都圏から約1000km離れた太平洋上に位置しているため,技術者が訪問する運営方法では,システムの運用ならびにサポート面での問題があった。今回のシステム導入により「地理的要因に伴う課題を解決した」(同社)とする。